東日本一周乗り鉄
中編 東北新幹線全通

事前に調べたところ、新宿駅には小田急とJRの乗り換え改札口があるようなのでそこに向かいます。どうもSUICAやPASMOでのスルー利用がメインらしく、JRきっぷの販売は近距離切符だけを売る有人窓口のみでオレンジカード対応券売機や特急券はなし。しかたなく190円払って東京までの切符を購入、ついでに数年前の上京時に買った後サービス停止になったパスネットカードを払い戻してもらいます。旧営団のカードですが応じてくれました。

新宿からは13時28分発の青梅特快で東京へ向かいます。現在中央快速線の電車は全てE233系になっています。まあオレンジの201系は地元(大阪環状線)で見られるので惜しいと思いませんが。

2ヶ月前に京浜東北線で乗ったE233系の印象は「車内が209系と変わらない」でしたが、中央線の車内はモザイク柄のシートモケットがおしゃれです。東京駅には13時41分に到着。

中央線の高いホームから下りた私は中央通路を歩き、新幹線中央乗換口の対面にある駅弁屋5号売店を目指します。目的はこの売店のみで販売される究極の駅弁「極附弁当」を購入するためです。1日30個限定で夕方に関西に帰る時だとまず売り切れているのですが、昼間ということもあって入手できました。3,800円という駅弁屋としては破格の買い物のためか店員も恐縮した態度でした。

東北新幹線が全通して今日でまだ8日しか経っていません。開業フィーバーが冷めぬ中、これから東京から新青森まで全線乗り通します。

ホームに上がると「はやて・こまち29号」新青森・秋田行きが既に入線していました。少し時間があるので編成前方の「こまち」を眺めた後E2系「はやて」に乗りこみます。


「はやて・こまち29号」の先頭

乗った編成はJ63編成。E2系の新しいタイプでリクライニングに加えて座面がスライドします。座面スライド式の座席は初体験です。

「はやて」は青森までの長距離旅客に加えて仙台・盛岡までの速達需要もあるため人気が高く、上野で満席に。上野を過ぎるとトンネルを出ますが110km/hしか出ないため揺れが少なくのんびりした走り。地元が気にする騒音も並行する埼京線以下ですし、「スカイライナーと同じ」と説明して160km/hにスピードアップできないものでしょうか?

大宮を出ると245km/hと新幹線本来のスピードで走り始めます。宇都宮からは275km/hにスピードを上げますが、気のせいか宇都宮通過直後にGを感じました。それにしても昔はビュフェにスピードメーターがあったというのに今はスピードアップしてもどのくらいかわからないのが悲しいです。

東北に入る頃になって、ずっとテーブルの上に置いていた「極附弁当」の包みを開けます。

立派な風呂敷をほどくと中からは二段式の箱が現れました。

これを開けると海老、黒豚、鶏肉、烏賊、煮物、玉子焼き、甘鯛、竹の子etc.これでもかとおかずが入っている。ご飯も上等のものを使用しており、また市販の弁当には珍しく梅干しは本物である。話題になっているので食べてみたが、3,800円出して後悔しなかった。もっとも今度はリピーターになるより「東京弁当」や「大人の休日」を試してみるつもりである。小田急ロマンスカーの弁当も食べてみたいし。

リクライニングや座面を適度に調節して窓の景色を眺めていたが、満腹になったこともあり福島付近で寝落ちしてしまう。仙台ではある程度の下車客がいるが、乗ってくる客も結構いる。「はやて」は満席でも仙台から空席が出るため、仙台で追い抜かれる「やまびこ」で先行するテクニックを使っているのだろうか?

盛岡には16時22分に到着。ここでホームに降りて「こまち」の切り離し作業を見学する。皆もご存知のことであろうが作業員が全くいないフルオートで、「こまち」は連結器を離した後すぐに走行しながらカバーを閉じて出て行った。

「はやて」が連結器カバーを閉じた直後

E2系で埋まっている盛岡駅。私の列車は写真の右に停車中。

上着無しでホームに出ると寒くもう東北だと実感させられる。「はやて」の車内に戻り、26分に出発。

さすがに盛岡を過ぎるとかなり空席ができている。ここからは整備新幹線でスピードは275km/hから260km/hに落ちるが実感するほどの差ではなく、むしろトンネルの多さが気になる。冬至10日前の東日本は日没が早く、午後4時半を過ぎるともう暗くなる。

空いてきたので車内の写真を。

最後の停車駅、八戸を出ると新線区間だが暗くてさっぱりわからん。もともと私は東北新幹線自体、全線が初乗車なんですけどね。

17時19分、定刻に新青森に到着。新青森駅はホーム2面4線の立派な駅ですが、今のダイヤで4線も使うのでしょうか? ホームは1面だけ使ってもう一方は土台だけでもよかった気がします。それよりホームの長さが10両分しかないので将来の輸送力が心配です。(東京付近の過密ダイヤや青函トンネルでの貨物列車との干渉を考えると増発が難しく16両編成化が課題になると思われる。)

新青森駅は「地形や将来の延伸の関係で市の中心駅から4km弱離れた場所に在来線と直交する形で作られた。」・・・と書くと新大阪駅みたいですね。在来線ホームに下りると接続の普通電車がやってきました。

わずか一駅に乗客が集中するので通勤型の701系がありがたい・・・と言いたいところですが新幹線の下車客が結構いたのに青森行きの電車に乗る客はわずか。どうやらみんなバスやタクシーなど他の足があるようです。私もこれに乗ろうと思ったのですが、18時04分発の「つがる53号」があるとわかったのでもう少し新青森駅を見てまわることにします。

新青森の駅前は・・・新しすぎて何もありません。まずはメインと思われる東口に出ましたが、やたらと広い駅前広場とバス乗り場があるだけ。店はレンタカーの営業所しかありませんでした。ところで新幹線からでは暗くてわかりませんでしたがさすが12月の青森、雪降ってます。耐えられない寒さじゃないですがとにかく滑らないように気をつけましょう。

東口にて。雪が降っています。

本当に何も無いところです。

駅の一階には飲食店や特産品店など食に関する店を集めた「あおもり旬味館」がオープンしています。西口はいったん東口側から一階に下りこのゾーンを横切った先にあります。西口に出てみると…巨大駐車場しかありませんでした。バスツアーでは活躍しそうですが。

次は在来線のある南口に出てみます。こっちは新幹線コンコースから離れているのでひっそりしてますがバス停もあります。南側の道路に以前から存在したバス路線が乗り入れている模様。


在来線側の改札口。自動券売機が1台だけ。

789系「スーパー白鳥」

駅構内や周辺をうろついているうちに18時が近づいたので在来線ホームに戻り「つがる53号」を待ちます。やってきた電車は「かもしか」色の3両編成。485系は久しぶりの乗車になりますが車内はガラガラ。


ヘッドマークの映りが悪いですが、「かもしか」カラーの「つがる」です。

臨時列車ながら冬の間は毎日運転で様子を見ているようですが、これじゃ春には廃止かも。座席は新製時の簡易リクライニングシートを改造してサイドテーブルを取り付けた東北オリジナルタイプでした。

新青森から青森までは貨物線や津軽線が絡む複雑な配線のせいかずいぶんゆっくり走ります。3.9kmに7分かけて青森駅に到着しました。私は今まで青森は「北斗星」「トワイライト」でスルーするだけだったのでここで下車するのは初めてになります。

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