2010年北海道旅行
第1章 トワイライトエクスプレス(前編)

2010年10月11日(月・体育の日)、祝日の今日に加えて2日の休暇をとり、「トワイライトエクスプレス」で北海道へ行って「北斗星」で帰るというテツにとっては最大の贅沢旅行に出かけることにした。


トワイライトエクスプレス出発の大阪駅

事前に調べたところによると、下り「トワイライトエクスプレス」は10番線に11時26分に入線して50分に発車ということだったが、現在の大阪駅は大改造工事の真っ最中でホームに余裕が無く、この日は11時48分に11番線に入線して52分に発車(2分の遅れは湖西線で回復)という慌しい出発になっていて旅立ちの余韻がない。11番線は実質「サンダーバード」専用で売店が充実しており旅立ち前の買い物には便利だが。


11番線より先発するサンダーバード。グリーン車も貫通型の最新型。


トワイライト入線前、デビューから21年過ぎた現在でもカメラを構える人は多い。


ようやくトワイライト入線


最後尾の展望スイート

以前ロイヤルに乗ったことがありますが、今回はシングルツインに乗車。補助ベッドといいつつ上段が固定なので人によっては圧迫感を嫌がるだろうが、座ってしまえばあまり気にならない。「トワイライトエクスプレス」は個室はほとんどが日本海を向いていますが、私のこの部屋は珍しく反対側を向いていて琵琶湖、立山連峰、噴火湾を眺めるのに便利です。個室内部を確かめている間にすぐ大阪駅を出発しました。

しばらくは個室から東海道本線の景色を眺めます。車内で売っていたガイドブックでは「上り列車とのすれ違いは西大路の新幹線高架下なので見えにくい。」という記述でしたが今日はダイヤ変更のため山崎駅付近でバッチリ見えました。カメラ構えてりゃよかった…てそれ以前に対向列車の運転日すら調べてませんでしたけど。

湖西線に入って琵琶湖を眺めていると、食堂車の営業開始の放送がありました。私は下り「トワイライト」に乗るのは初めてですが、早速「食堂車で昼食が食べられる唯一の機会(上り列車は昼食時間にかからない)」を試してみることにします。


終着の札幌駅で撮影した食堂車。今年廃止された夜行急行「能登」に使われていた489系ボンネット形編成に昔連結されていた食堂車を流用している。おそらくは最期のキノコクーラー車になるであろう。

トワイライトの昼食といえばビーフシチューが有名だが、メニューの一番上にハンバーグステーキが載っていたでこっちがお勧めだろうと思い注文している。上記写真と食後のコーヒーだけで2080円は確かに高いが、銀座の一等地の物価を考えれば理解の範疇だし、「高くて不味い観光地クオリティ」に比べたら味がまともなだけマシというべきだろう。

食後は車内探索に出かける。まずは食堂車の隣のサロンカーから。列車のテーマが「日本海に沈む夕日」なので全てのソファーが日本海側を向いている。日本海窓側が写真のソファーで後ろがハイデッカー構造になっている。後ろは人で埋まっていて撮影できなかったのでご勘弁を。

シャワールームの手前にある自販機。中身は全部つまみ類。昔はパンやカロリーメイトもあって小腹が空いた時に便利だったのですが。隣は飲料の自販機ですが法律の関係でアルコールを入れられずビールが欲しい人は食堂車で直接買うことになります。

今年3月のダイヤ改正で使用停止になった公衆電話。個室だと「携帯での通話はデッキへ」という気遣いすら必要ないからねえ。電話自体は撤去されてません。サロンカーの電話ボックスは食堂のお冷用と思われる2Lペットボトルの倉庫になってます。

「トワイライトエクスプレス」の車両は2002年頃のリニューアルで相当手が入っています。普通グレードアップ改造でおざなりになりそうなデッキ付近もこの通り。ホテルのエントランスに相当するのですからきれいなのも当然ですが、「北斗星」の方は特にデッキ付近に種車の面影をかなり残してます。

シングルツインの通路。こうして見ると列車の中には見えませんね。

Bコンパート。通常のB寝台にガラス戸をつけただけなのですが、化粧版の張替えで徹底したリニューアルをしているためかなり違った印象を受けます。

7号車のミニサロン。こっちは琵琶湖、立山連峰、噴火湾を向いています。公衆電話は稼動してません。

長い道中は5号車の自室と隣4号車のサロンカーを行ったり来たりしてまったり過ごします。時折食堂車スタッフが車内放送でオリジナルのおやつを限定販売すると予告して車内を売り歩きます。

というわけでつられて購入した北海道限定生産のアイスクリーム。北海道は酪農が盛んな関係で気候に似合わずアイスクリームが特産になっています。このほかマドレーヌとコーヒーもありました。


結構できている北陸新幹線。2014年開業予定ですが、前倒しされそうな気がします。

いい天気なのに立山連峰の方角だけ雲がかかっていて見えずorz などと言ってると富山地鉄の旧レッドアローが並走していました。

列車名の由来になっている「日本海に沈む夕日」も撮影してみました。ちょうど親不知海岸です。


かつては難所だった海岸に堂々と高速道路が…科学の偉大さを思い知る。

さて、日が暮れて車窓が見えなくなったことでもあるし、車内で購入したプレヤデス弁当で夕食にします。食堂車ディナーや日本海会席御膳に較べて商業出版物での知名度が低いのですが、食堂車は格式ばりすぎ、会席御膳は食堂車でもないのに6000円(「北斗星」の和食より高い)も出すのはもったいなく、弁当+パブタイムで夜食が一番楽しめるように思えます。

かつては食堂車で作って風呂敷で包んでいたようですが、現在はフードサービスネットの工場で作っているようで包装も普通になっています。シンプルな掛け紙は以前インターネットで見た食堂車調製品と同じです。

中身はとにかく品数が豊富。角煮・フライ・煮物・照焼とそろっていて栄養のバランスも取れています。和食派にも洋食派にも納得の内容です。1,500円級の駅弁と比較してまあ及第点と言えるでしょう。

この日の列車にはツアー客がかなり乗っているようですが、個室中心でグループで集まるところが無いといってサロンに陣取るおばさんグループが、ツアー添乗員からもらった豪華な弁当を広げていました。どうも話の内容から旭山動物園に行くようです。

写真多すぎて見る人が重そうなので次のページへ

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