The Last BlueTrain

再び札幌駅で「上野行き」が表示される日は来るのでしょうか?
北海道新幹線に上野発着の臨時列車があればあるいは・・・

16時ちょっと前に「北斗星」の入線する4番線ホームに上がり、列車の入ってくる桑園方面に行くと、
案の定大勢の鉄ちゃんが待ち構えていた。向かいのホームから写そうとする者もいる。
ブルートレインが本当に終わりに近づいているのでカメラに収めようとする者が非常に多い。
私は撮り鉄じゃないのでがっつく気もないが、列車が入線する様子を動画で撮影した。

定期列車末期の「北斗星」はJR北海道とJR東日本のニコイチ編成でしたが、
臨時化されてからはJR東日本車オンリーとなりニートレインの全室ロビーカーも復活、
A個室を2両ずつ連結した2008年以前の「3・4号」が再現されています。
これで「北斗星」は北海道編成(昔の1・2号)・東日本編成両方に乗ったことになりますが、
残念ながら珍車の多いコードシェア便(3・4号→81・82号)は乗らずじまいでした。
当然ながら寝台券は売り切れですが、私はソロを確保しています。
座席後ろ向き1Fのハズレ部屋ですが、通常のB寝台と同じ料金でプライバシーが保てるのですから贅沢は言いません。

定刻は16時12分だが数分遅れて発車。検札でカードキーをもらったので鍵を閉めてロビーカーへ出かける。

過去に乗った「北斗星」は全てJR北海道の半室ロビーだったのでJR東日本の全室ロビーは初めて見ます。
ただ廃車直前の保留車を動員したためソファーが結構傷んでます。
あと整備しておらず短期間だけの使用なので飲料の自販機が使用不可、
食堂車・ワゴンサービスの無い深夜に喉が渇くと冷水器も無いので困ります。
(自販機全廃方針のJR東日本だがカシオペアは自販機あり)

ところで私は、これまでも満席の「北斗星」に何度か乗っているのですが、乗客の多くは知名度に引かれた普通の観光客で
食堂車には興味を持たず自席で駅弁を食べるため食堂車はさほど混んでませんでした。
しかし最近は廃止前に乗っておこうとする鉄オタばかりになり、食堂車の利用率が高くなっています。
今まではパブタイムにハンバーグやビーフシチューを食べていたのですが、今回は売り切れるかもしれないという危惧から懐石御膳(6,000円)を予約しました。

ロビーカーでくつろいでいたらディナーの用意ができたという放送があったので隣の食堂車へ行きます。
予約客のほとんどはフランス料理(8,500円)だったので私は浮いている気がしたのですが
懐石を選んだのは値段もさることながらトワイライトでフルコース経験してあまり楽しめなかったから。

飲み物の注文を聞かれたので「北斗星」ラベルのオリジナルワインを注文。
周囲を見ると鉄らしき客はたいてい注文していたので定番の人気商品なのだろう。
サンプル写真はラベルが電気機関車でしたが、実際に出てきたのはDD51でした。

列車は苫小牧を抜けて海沿いを走っています。以前下り「トワイライト」で同区間で朝食を食べた時は
山側の席だったのですが、今回は海側の席でワインを飲みながらのんびり海を眺めます。

デザートとコーヒー、ではなく和食なのでお茶と和菓子を最後に席を立ち個室に戻ります。
6月なのでまだ明るいですがアルコールも回ってきたのでもう寝ます。
こういうとき個室って浴衣の着崩れを気にしなくていいですね。
B寝台に浴衣が備え付けられたのは583系が最初のようですが、私が583系に乗った時は使いませんでした。

翌朝は4時半頃の仙台停車時に完全に目が覚めたので、着替えてロビーカーへ向かいます。
食堂車が混むから並びたいのと、個室というか寝台全体が東向きで朝はまぶしいためです。

最初はソファーで車窓を眺めていたのですが、5時半頃から自然に行列ができ始めました。
6時半に食堂車が回転すると順次席に案内されますが、満席になった後は係員が名前を記録して
席が空き次第ロビーカーで待ってる客を案内する方式に。
しかし聞こえてくるところ開店直後に来てもオーダーストップの8時までに席が回るかという説明。
最近は常時この状態のようですし、営業時間を長くするとかトワイライトみたいに車内予約制とか配慮できないものでしょうか?

早めに来たかいあってすぐに席につけた私。昨夜が和食だったので今度は洋定食を注文。
「北斗星」の食堂車朝食は一時期ご飯・味噌汁とパン・スープの選択だけでプレート共通の時期があったのですが
さすがに手抜きすぎと批判あったのか今は和食と洋食ちゃんと分かれてます。
メニューには定食のほかにジュースなどの飲み物が載ってますが、和洋食問わず食後のコーヒーor紅茶あり、
洋食はグランベリージュースありでわざわざ飲み物注文するひとはどれだけいるのやら?

食後個室に戻ってまた車窓を眺めていたのですが、東北新幹線の高架橋がよく目に付きます。
トワイライトでも当時建設中の北陸新幹線をよく目にしましたし、新幹線って自由にルート選んでいるようでいて結構在来線と接してるんですね。

十分睡眠をとった筈なのに食後のせいかまた眠くなり、個室なので遠慮なく横になります。
大宮が近づくと終着まであとわずかということで起きて外を見ますと、「ファミリーマートみたいなデザイン」
とよく言われる東武野田線の電車にホントにファミマの広告がラッピングしてあって驚きました。

大宮から25分、感慨にふけりながらとうとう終着駅上野に着きました。
最後に残ったプルートレイン、運転日の残り僅かという状況で最後の最後に乗れて満足です。
実を言うとブルートレインより食堂車の方が目的だったんですけどね。
今後残る食堂車は高すぎる上に独り者はお呼びでない「ななつ星」以降のクルージング列車と「おれんじ食堂」以降のグルメ列車ぐらいで、
一般の列車に連結された独立した食事スペースという古典的な意味の食堂車は「カシオペア」「北斗星」が最後だからです。

スマホで動画撮影しながら上野駅13番線ホームを歩いた後、車止め付近で機関車を撮影。

この機関車が製造されたのは2010年とつい最近で、当時すでに新幹線工事やブルトレ廃止など先が見えていました。
それでも新しく作ったのは、伝統的に東日本機が担当していた常磐線の貨物列車のためですが、
結局その貨物運用もなくなったためほとんどが設計元のJR貨物に引き取られています。
東日本に残った機関車は工臨や電車の回送で余生を過ごすのでしょうか?

上野東京ライン開業後は静かになった地平ホームですが、それでも上野始発列車が日中に残ってます。

これから神戸に帰りますが、当駅限定駅弁の「上野弁当」を買おうとしたところ売り切れ。おそらく昼にならないと入荷しないのでしょう。
上野駅から東京駅までは品川行きの常磐線電車に乗車。上野東京ラインは初めてではありませんがE531系は初めてです。
すでにラッシュは終わっていますが座れませんでした。東京直通需要の高さがわかります。

隣に特急「踊り子」が停車していたので思わず撮影。東京駅唯一の国鉄型車両です。

札幌駅で東海道新幹線の自由席特急券を買っているのですが、さて何に乗るか。
10時ちょうどの「のぞみ221号」は前方の自由席が空いてるか確認する時間がないのでパス、次の10分発「のぞみ23号」にのるかと18番線に行きますが、
隣の19番線の10時03分発「ひかり467号」がN700Aだったので時間はかかりますがこれにします。
N700AはチューンナップされたN700系と共通運用のため運頼りで今まで乗った事がなかったので。

「ひかり467号」は新横浜でギリギリ立ち客が出ないという絶妙な乗車率。
ただ昼間にもかかわらず富士山は見えませんでした。せっかくE席に座ったのに。
そんなに悪い天気とは思わないのですが、山の天候は微妙ですね。

12時を過ぎたので関が原付近で弁当を広げます。名前に反して東京駅でも売っていた「品川弁当」。
港町としての品川をイメージして海ものでまとめてますが竹の子など幕の内弁当的な具も。

13時03分、東京からちょうど3時間で新大阪に到着。ここから快速で神戸に帰りました。
札幌でおみやげに「白い恋人」を買っていたのですが、新大阪では比較ネタとして「面白い恋人」を購入しました(笑)。

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