2010年北海道旅行
第3章 スーパー北斗

さて、「トワイライトエクスプレス」を降りた後どうしようか? 「さすらい館」の8143氏なら「スーパーカムイ」で旭川動物園…ではなく高架化されたばかりの旭川駅のリポートをするところでしょうが、私が持っている周遊きっぷは道南エリアなので有効に使うべく「スーパー北斗」に乗ることにします。

10時37分発の「スーパー北斗10号」を待ちます。発車案内では10時18分入線となっていましたが、「1号」の折り返しで車内清掃をするためホームでかなり待たされました。東京駅の新幹線もそうですが、入線時刻よりも乗れる時刻を案内してくれないと不便です。283系も使われている「スーパー北斗」ですが、やってきたのは281系でした。


本州の「北近畿」でも見られた傾向ですが、最近はホームの高さがそのままなのにステップが埋められているケースがよくあります。足の短い人に酷ではないでしょうか?

周遊きっぷなので当然自由席になりますが、平日の10時過ぎということもあって乗客はそう多くなく簡単に座れました。最近の281系は指定席を中心に座席の交換が進んでおり、自由席でも私が乗った車両は交換済みでした。赤いモケットに加えて枕部分も大型化していて高級感があります。


「スーパーカムイ」の同型シート。

キハ281系は車体が軽量構造だからかエンジン2基搭載だからか乗っているとエンジン音がかなりうるさい。引退間近のキハ181系はエンジンの轟音で有名だが、国鉄世代のゴツい車体のせいか車内にいる限りは意外と静かだった。しかし表定速度日本最速の特急(最高速度160km/hだが新線以外でスピードの出ない「はくたか」「スカイライナー」はおろか退避のやたら多い一部の「こだま」すら上回る)の肩書きは伊達ではなく、電車でもなかなか出ないスピードで爆走する。しかしうたた寝していたみたいであまり記憶がありません。トワイライトの寝台車ではあまり眠れなかったのに、リクライニングシートでは簡単に眠れてしまう。車両のコストなどを考えるとブルトレ廃止は仕方が無いが、リクライニングシートの座席夜行はもっと増やして欲しいと思う。

JR北海道の特急のサービス面の特徴として、座席に車内販売のメニューが備え付けられているというのがあります。

実際にワゴンが来る前に何を買うか検討できるため便利です。新幹線でワゴンがやってきても何を売ってるか判らずに結局スルーしてしまうことがありますし。さすがに乗車時間の短い「スーパーカムイ」に車内販売は無いようですが、北海道の特急で一番時間がかかる「サロベツ」に車内販売が無いのはどうかと・・・「スーパー宗谷」に較べてソフト面でも冷遇されてるな。

12時58分着の八雲駅で下車、ここで20分ほど待って「スーパー北斗9号」で札幌に戻ることにします。

上野行きの寝台特急を含めほぼ全ての特急が停まる主要駅で、温泉への玄関口でもあるため駅前はロータリーがあって広いのですが、動いている車も人も少なくて寂しい印象を受けます。駅弁どころかコンビニもないですし。少し離れた場所に北海道新幹線の新八雲駅が建設される予定なので町そのものは悲観することもないでしょうが。

13時19分発の「スーパー北斗9号」に乗車。283系を期待したのですがまた281系でした。まあ293系は「スーパーおおぞら」に乗ったことあるからいいけど。今度も自由席ですが座席は登場時のもの。標準的なリクライニングシートではありますが、座席の改良が進んだ現在ではちょっと物足りない感がありますね。

しかしこの座席、1990年代中盤にしては珍しく座席下が空洞になってないため脚を伸ばしにくいです。さっき乗った交換タイプは台座ごと交換されていて足元も広いのですが。もっとも新型シートはフットレストがないのですが普通車のシートピッチならいらないです。脚が伸ばせずに浮いてしまい膝に負担がかかるので。


札幌行きの「スーパー北斗」は自由席が先頭車なのですが、踏切事故を恐れて「お立ち台」に通じる貫通路が立ち入り禁止になっています。

八雲駅に駅弁がなかったのでワゴン係員に弁当がないか尋ねますが、長万部停車まで時間がないにもかかわらず予約積み込みの「かにめし」の注文を受けてくれました。

これが長万部の名物駅弁「かにめし」。「スーパー北斗」「北斗」の車内で注文を受けて長万部停車時に積み込みます。停車時間が短い上に立ち売りがないので自力での購入は不可能です。

ほぐした蟹の身が満載の中身。フタを開けたとき、椎茸が三切ともフタにくっついてました。おかげで詰める前に撮影したと思われるサンプル写真ほどきれいじゃないです。しかし私は蟹は「殻をむく手間の割りに旨みがない」のであまり好きではなく、駅弁(鳥取など)でしか蟹は食べません。

「10号」で半分寝ていたので今度は窓側でしっかり景色を眺めています。八雲ではガラガラだった自由席も東室蘭、苫小牧と札幌に近づくにつれて座席が埋まってきました。やはり北海道有数の人気列車ですが、新幹線問題に揺れる現在では増発や全列車スーパー化、電化といった新たなテコ入れはしにくいようです。


南千歳停車中に撮影した旧千歳空港跡。かつてはこの通路が空港に伸びてました。

15時43分に札幌に到着。帰りの「北斗星」まで時間があるため、時間を潰そうと思って函館本線に手稲まで乗ってみました。

オールロングシートの普通電車。札幌ほどの大都市となれば通勤型ロングシート車はあって当然なのですが、区間快速と普通はロングと転換クロスが混じるから当たり外れ大きいな。

731系のドアを車内から撮影。ドア横にヒーターを設置することで保温用デッキをなくしているのですが、いまどき片開き扉の通勤電車はどうかと思います。両開きだと保温上まずいんでしょうか? ロングシートに座った感想は特になし。

手稲での待ち時間にオレンジカードを購入。「トワイライト」「北斗星」車内でも買いまくった結果合計で13,000円も。金券ショップとか駆使していたら使い切るの結構先だぞ。ちなみに私は関西でのJスルーのサービス終了後、ICOCAを使って欲しいJRの意図に反してオレンジカードに逆戻りしています。現金チャージだから金券ショップでのディスカウントないし、珍しいカードを買い集める楽しみないし。


快速「エアポート」…ではなく対向ホームの普通列車の721系。

快速「エアポート」で札幌に戻ります。「エアポート」は全て転換クロスシートの721系が使われるため安心感があります。乗ったのは初期の車両らしく内装が結構痛んでいるのが気になります。それでも721系はデッキつきで落ち着いた雰囲気があるし、ドア横に固定クロスやロングシートがないため気に入っている車両です。(721系の最新製造車はデッキがなく一部ロングシート)

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